10.6. 進化との関連 : 新興ウイルス
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突然出現したウイルスや、近年になって医学者の関心を引くようになったウイルス 2002年には東南アジア周辺で鳥インフルエンザの新たな感染例が報告されるようになった
2009年には鳥インフルエンザがヨーロッパとアフリカに拡散し、400人が感染して250人以上が死亡した
この間に累計で1億羽以上のニワトリが殺処分された
もし、このウイルスが進化してヒトからヒトへと容易に伝染するようになると、ヒトの間に大流行が起こる可能性が非常に大きくなり、深刻な事態となる
このようなウイルスがヒトに対する新たな病原性を突然獲得したのはどのような機構によるものか RNAウイルスがRNAゲノムを複製する機構にはDNA複製のような誤りを減少させる校正機能が欠落しているため、非常に高い頻度で突然変異が起こる
このような突然変異のため現存のウイルスから進化し、以前のウイルスに対する抵抗性を獲得してきた人に対しても病気を引き起こすことができる新型のウイルス株が誕生することになる
これこそが、毎年インフルエンザのワクチンを摂取することが必要となる理由
新興ウイルス感染症は、現存するウイルスが宿主域を拡大したときにも発生する
科学者の推定によると、新たな人の病気の約3/4が他の動物に起源をもつもの
鳥インフルエンザは好例
ウイルス病が小さな隔離された集団から拡散すると、広範な大流行に発展する危険性がある
たとえばエイズは世界中に広がり始まる前は、数十年間無名で事実上全く注目されていなかった
エイズの場合は、以前はめったになかったヒトの病気が、手頃な料金での海外旅行、輸血、乱交、静脈注射する薬剤の乱用などの技術的および社会的要因により、世界的な災厄に発展したもの